英語を勉強し続けてきたが、どうにも会話力が上がらない……。
来週からアメリカ旅行だが、一から英語を勉強している時間はない……。
試験問題ならできるけれど、くだけた表現などが分からず実践力がない……。
そんな悩みを抱えてはいませんか?
それらは全て、英語のある分野を学ぶことで一気に解決してしまいます。
そしてその「ある分野」は、初心者から上級者まで即座に英語力アップの効果をもたらす、非常に強力な武器なのです。
学校ではあまり教えてくれないその分野は、「頻出表現」あるいは「フレーズ」と呼ばれ、実践派の英語学習者にとっての重要分野となっているのです。
目次
フレーズを学べば英語力は高速アップ
フレーズって何?
フレーズとは、「いくつかの単語で構成される短い文」が便宜上そう呼ばれています。
“Good luck”(がんばって)、”All set”(準備万端です)、”I’m full”(おなかいっぱいだ)などは全てフレーズに当たります。
日本語だと「どう思う?」「そうだっけ?」「奇遇だね」「いらっしゃい!」などがフレーズに該当します。
ご覧になって分かるとおり、フレーズというのは必ずしも完全な文になっているわけではありません。
“Good luck”(がんばって)なんて、主語も動詞もなく、ただ名詞を言っているだけです。
日本の英語学習は「読解至上主義」なので、”I would like to do what..”といった「主語や動詞がきちんと存在する文」「一文一文が長く複雑な文」というのが頻出します。長い文を正確に訳せるかどうかが大切だという教育方針ですね。
そのため、どうしてもフレーズの重要性は後回しにされてしまったり、「こういう言い回しがある」と欄外の注釈でちょこっと補足される程度に留まります。
一文が長く、「主語や動詞がきちんとある」文しか読んでいないと、こうした「短いフレーズの言い回し」などが突然出てきた時に、何と訳せばいいか戸惑ってしまいます。
また、英語を使う段になっても、「私があなたからもらったプレゼントを私はとても嬉しく思った」などといちいち長文に当てはめないと英語で発信できなくなってしまいます。
しかし、頻出フレーズをきちんと覚えてしまえば、受験英語やビジネス英語はもちろん、実践英語でも大きなアドバンテージを得ることができます。
しかも恐ろしくカンタンに。
初心者の方から上級者の方まで、いつ始めても即座に英語力の向上を見込めるただ一つの分野、それがフレーズなのです。
フレーズのメリット
メリット①:使用頻度が高い
一つ目のメリットは間違いなくこれでしょう。
フレーズは英語のあらゆる場面で頻繁に登場します。
受験英語やビジネス英語、TOEICにも頻出しますが、何と言っても日常会話にバンバン出てくるのです。
というか、実際の会話でよく使われている表現がフレーズになるわけですから、よく使われるのは当然です。
「何があったの?」「~はお分かりですね?」「そろそろ時間だよ」等、日常会話でよく使われる表現ほど我々日本人は知りません。
フレーズが大事だと教わっていないからです。
そのため、「難しい文は読めるし文法も得意だが、カンタンな会話ができない日本人」というステレオタイプが出来上がってしまうのです。
よく「ネイティブの会話はカンタンな表現しか使用されない」と言われますが、それがまさにフレーズなのです。
極論ですが、使用頻度の高いフレーズさえ覚えてしまえば、それだけで現地で生きていけるだけの英語力が得られます。
実際、筆者が語学留学した際、一番強く思ったのが「もっと英語のフレーズを勉強しておけばよかった!」ということです。
カンタンなフレーズを用いるだけでぽんぽん会話を繋げていく友人が偉人のように見えました。
日常会話によく出てくるフレーズは、もちろんビジネス英語にも頻出します。
ビジネス英語の試験であるTOEICにもよく出てくるのは道理というものです。
また、近年は「会話体」の英文も受験英語では重要分野となっているので、受験生の方からしてもやはりフレーズは大事です。
フレーズは英語の頻出表現です。
それを学べば英語力が上がるのは、極めて自然な流れといえるでしょう。
メリット②:短くてカンタン
“Take your time”(あわてないで)、”What’s the difference?”(どこが違うの?)、”I’ll treasure this!”(大切にするね!)といったフレーズは、日本語でも英語でもよく使いますね。
ところで上の文の共通点、他にも何か気づきませんか?
そう、文自体が非常に短く、使われている語句も初歩レベルの非常にカンタンなもの、という共通点が見て取れますね。
フレーズは「英語の頻出表現」です。
「よく使う言葉なら、なるべく短くてカンタンな方がいい」というのは英語でも日本語でも変わりません。
そのため、ほとんどのフレーズは語数が少なく易しい英語で構成されています。
「短くてカンタンな文」ということはすなわち「覚えやすい文」ということです。
フレーズというのはどうしても丸暗記が必要になる分野なのですが、短くてカンタンな英語文なら、丸暗記の負担はその他の分野より格段にダウンします。
そして初心者の方でも覚えやすい。英語を勉強して日の浅い方でもフレーズを活用することができる。
短くてカンタンな「フレーズ」というものは、それだけで学習上のメリットが得られる存在なのです。
メリット③:応用性バツグン
フレーズは「たった一つの状況にしか使えない表現」ではありません。
そのままで、あるいは少し語を入れ替えるだけで、非常に多彩な状況で使えるコトバなのです。
例を挙げましょう。
「~だったらどうします?」という意味の”What if ~?”は、”What if they say no?”(彼に断られたらどうします?)、”What if she’s out?”(彼女が外出中だったらどうします?)など多くのシチュエーションに使えます。
「場合によるね」という意味の”It depends”ですが、これは最後尾に”on”をつけることで”It depends on ~”(~によるね)となり、「天気次第だね」「時間によるなぁ」といった使い分けが可能になります。
フレーズを一つ覚えるだけでも、その他の単語と組み合わせることで、表現できることは数十~数百にも増えます。
この高い応用性こそがフレーズを重要たらしめている一因なのです。
オススメの参考書
英会話なるほどフレーズ100
題名どおり、ネイティブなら子供時代に身につけている表現を100のフレーズにまとめた本です。
「いくら何でも幼児が使うようなフレーズは知ってるよ」と思う方、怒らないで聞いてください。
普通に日本で英語を勉強した方は、おそらくこの本の表現の1割も知らないでしょう。
たしかに”We should ~”(~した方がいいよ)とか”What’s wrong?”(どうしたの?)など、「見れば訳文が分かる」フレーズがたくさんあります。
でもそのフレーズ、前情報なしで実際に使えましたか?
「どれ?」と聞きたい時に”Which one?”がすぐに出てくる方、「ウェイターに聞こうか?」と言いたい時に”Should we ask the waiter?”がすぐに出てくる方は、本書を読む必要はありません。
しかしそうでない方や、「文法や読解はかなり自信があるのに、英会話となると自分の言いたいことを全くしゃべれない」という方は絶対に買うべきです。
「どんなに簡単なことでも英語で言えない」というのは、カンタンなフレーズを知らないから起きてしまう事態です。
本書は、ネイティブが子供時代に身につけている表現100――つまり、超頻出表現を100のフレーズにまとめてくれているのです。
これを読まない手はありません。
全ての英語学習者が対象ですが、特に実践会話を鍛えたい方にうってつけの本です。
個人的に目からウロコだったのは”That’s + 形容詞”、”That + 動詞”の2つです。
この2つを覚えるだけでも英語力はかなりアップします。
どれほど劇的に表現の幅が広がるかは、実際に読んで確認していただくことをおすすめします。
英会話きちんとフレーズ100
『英会話なるほどフレーズ100』の続編。
子供~ティーン世代がよく使う表現が100のフレーズにまとまっています。
前作よりはレベルが上がるとはいえ、やはりそこはフレーズ、”Sorry to keep you waiting”(お待たせしてごめんなさい)、”I got lucky”(たまたまですよ)などカンタンで使用頻度が高いもののオンパレードです
。
「こんなカンタンなフレーズを覚えるだけで英語力は本当に上がるのか?」と思ってしまうほど難易度は易しいですが、効果は確実です。
前作と併せて200のフレーズをマスターすれば英語での雑談も苦ではなくなるレベルです。
その秘密はやはりフレーズの応用力にあります。
見開き2ページで一つのフレーズが解説されていますが、語法、類語、細かい使い方、似たようなシチュエーションでの使い分け、複数の例文が記載されており、そのフレーズに関する別のフレーズも多数学べるのが特徴です。
この点は前作から踏襲されており、もちろんイメージ図が多く初心者の方でも理解しやすい易しさというのも前作と同じです。
“I appreciate it”(本当にありがとうございます)、”I learned my lesson”(反省しています)、”It’s worth it”(その価値はあります)など、日常会話でもビジネス会話でも使える表現が多く入っているのも特徴です。
英語勉強の目的に関わらず、『英会話なるほどフレーズ100』と本書『英会話きちんとフレーズ100』は全ての方にやっていただきたい良書です。
英会話ペラペラビジネス100
『英会話なるほどフレーズ100』『英会話きちんとフレーズ100』の続編。
本書はビジネス英語に主眼が置かれています。
しかしビジネス英語とは言っても、実際にビジネスシーンで使われる英語というのは「日本の書店でよく見かけるような小難しく長い文章」ではなく「短くカンタンだが丁寧な文章」です。
本書は短くカンタンで実際の使用頻度が高いフレーズがまとめられているので、学習難易度はかなり易しいものとなっています。
掲載されているのは”How was ~?”(~はいかがでした?)、”This is a little ~?”(少し~ですね)、”We decided to ~”(弊社/我々は~することになりました)等、実にカンタンなフレーズばかりです。
英語におけるビジネス英語とは「丁寧な言い方」に過ぎませんから、日常会話でも十分使えます。
日本語における「日常会話」と「ビジネス会話」ほどの開きが無いので、本書を用いることで日常会話もより洗練されたものになるでしょう。
何よりもカンタンなのが嬉しいところ。
前2作と併せて学べば、頻出フレーズの学習はほぼ完了と言ってしまってよいレベルに達するはずです。