解説:一億人の英文法

一億人の英文法

概要

発売日  :2011年9月9日
著者   :大西 泰斗, ポール・マクベイ
ページ数 :682ページ
ジャンル :英文法
対象レベル:☆ ~ ☆☆☆☆☆ (全ての英語学習者)

構成

CHAPTER0  英文法の歩き方
CHAPTER1  主語・動詞・基本文型
CHAPTER2  名詞
CHAPTER3  形容詞
CHAPTER4  副詞
CHAPTER5  比較
CHAPTER6  否定
CHAPTER7  助動詞
CHAPTER8  前置詞
CHAPTER9  WH修飾
CHAPTER10 動詞 -ING形
CHAPTER11 TO不定詞
CHAPTER12 過去分詞形
CHAPTER13 節
CHAPTER14 疑問文
CHAPTER15 さまざまな配置転換
CHAPTER16 時表現
CHAPTER17 接続詞
CHAPTER18 流れを整える

特徴

文法においては最強の参考書
重要な文法をほぼ全て網羅しているので、これさえあれば大丈夫という1冊。

最大の特徴は面白くて分かりやすいということ。

これまでの文法書といえば、延々と退屈な説明が続き、読んでいるだけで眠くなるというものが大半だった。
図もイメージも少ないので非常に見にくく、煩雑な分類がしてある一方で「結局ぜんぶ丸暗記すべし」という内容だったので、文法勉強と言えば苦痛の代名詞であった。

本書『一億人の英文法』は、覚えるべき文法を網羅しながらも図やイメージをふんだんに取り入れ、また語り口も相当に柔らかいものなので、非常に読みやすい参考書となっている。

日本における英文法教育特有の「難解なだけの文法用語」「古すぎて現実的ではない文法」を極力排除しているところも特徴だ。

可能な限り読みやすく面白い文法書にしようという意志が端々から見てとれる。
これ以上親切な文法参考書は、現時点では出版されていない。

また、「文法のコアのイメージを捉えよう」という着眼点が素晴らしい。
ネイティブがそれぞれの文法に「どのようなイメージを抱いているか」を解説し紹介することで、読者もネイティブ並の深い文法知識を得られる。
詳しくは実際に読んで頂きたいが、「aとtheの呼吸の違い」「未来形なんてない」「canやshouldといった助動詞の意味が複数ある理由」など、従来の日本型の教育では理解困難だったところが、驚くほどカンタンに理解できてしまう
イメージを捉えることにより、その文法自体も強烈に記憶に残る

血肉の通わない、機械的な文法知識を暗記するだけの学習法がイヤだった方。
覚えることは出来るが、文法知識の量が多すぎてすぐに忘れてしまう方。
文法なんてムズカしくて複雑なだけの苦痛の存在だと思っていた方。
該当する方は、ぜひ読んで頂きたい
確実に文法への見方が変わり、驚愕と感動をもって文法を勉強しなおせるはずだ。

もちろん、英語初心者の方にも強くオススメである。

勉強法

網羅型の参考書(位置づけ的には『Forest』に近い)なので、練習問題などはない。
ただ読むだけでOKだ

とはいえページ数は700に迫るかという分量。
1日20ページなど、毎日少しずつ読んでいこう。

『Forest』は「分からないときに辞書代わりに読む」といった使い方が主だが、『一億人の英文法』は「分かっていても読む」という意識で読んだ方がいい。
既に知っていると思った文法知識でも、『一億人の英文法』を読んでみたら「あいまいだった所がハッキリした」「実はそういう意味だったのかと気づいた」「深いレベルで理解していなかった」という事が往々にして起こりうる。

ゆえに『一億人の英文法』は、辞書としてではなく、読めばいいだけの文法参考書としてとにかく読もう

初心者から上級者まで、読めば必ず何らかの新発見がある。
分かりやすく面白くて読みやすい、文法参考書の決定版である。


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また、CDブックも別売りされている。
純粋な文法参考書として使うなら必要ないが、クオリティの高い本書の例文をリスニング・スピーキング対策に使いたいということであれば併用をオススメする。

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