怖いくらい通じるカタカナ英語の法則
概要
発売日 :2008年1月22日
著者 :池谷 裕二
ページ数 :208ページ
ジャンル :発音
対象レベル:☆ ~ (初心者以上)
構成
PARTⅠ 意識改革編
渡米カウンターパンチ
相手まかせな日本語
発音か文法か
努力は報われない!?
英語の上達はあきらめよう!?
カタカナ英語でいこう
PARTⅡ 実践編 初級コース
PARTⅢ 実践編 応用コース
PARTⅣ 法則編
PARTⅤ 理論編
特徴
「カタカナ英語」に革命をもたらした画期的な名著。
一般に、言語を覚える能力というものは9歳までに失われてしまう。
9歳までに英語に触れなかった人が、今からネイティブ並の発音ができるかといったらほぼ不可能である。
努力しだいではネイティブの発音に近づけることはできるが、それ相応の手間と時間がかかる。
「とりあえず間に合わせでもいいから、何とかしてとっとと通じる発音を身につけたい!」という場合、どうすればいいのだろうか。
また、「どんなに頑張ってもカタカナ発音しかできない」という場合、どのような次善策を取るべきなのだろうか。
その答えは、「ネイティブにも通じるカタカナ英語を身につける」である。
今までのカタカナ英語
一般に、従来の日本式カタカナ英語はネイティブの発音には程遠いものであった。
その手法は「英語のスペルをそのままローマ字読み」にするというもので、
①You are welcome.[どういたしまして]を「ユー アー ウェルカム」、
②I didn’t know that.[それは知りませんでした]を「アイ ディドゥント ノー ザット」、
と読むのが一般的な発音法だった。
これらの発音は実際の発音とはかなり異なるので、このように発音してもネイティブに通じる可能性はかなり低い。
日本の英語教育においては文法・単語・読解の3つが非常に重視されてきたため、発音などは二の次とされた。
それゆえ、「学校で主流だったカタカナ発音は不完全で間違っている」ということに気づかない人、もしくは「発音が多少悪くても問題なく通じるだろう」と思い込んでしまう人を多く生み出してしまったのである。
実際には、従来のカタカナ読みというのは「多少発音が悪い」のではなく「かなり発音が悪い」レベルであり、マトモに勉強しないと言いたいことの半分以上は通じない状態である。
次世代のカタカナ英語
そこで本書『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』である。
英語の正しい発音を学ぶのは、手間と時間がかかる。
また、既に日本語の発音が身に付き、カタカナの発音しかできない人が大勢いる。
ならば、ネイティブにも通じるカタカナ英語を作ろうというのが本書最大の特徴である。
従来の「スペルそのままローマ字読み」カタカナ英語ではなく、「ネイティブの発音に限りなく近い」カタカナ英語が網羅されている。
例を挙げると、
①You are welcome.[どういたしまして]を「ユー アー ウェルカム」ではなく「ユオウェウクム」、
②I didn’t know that.[それは知りませんでした]を「アイ ディドゥント ノー ザット」ではなく「アイディンーノウダーッ」、
と読むことにより、ネイティブの発音に限りなく近づけている。
実際、このように発音するとほぼ間違いなく通じる。
本書では60近く「通じるカタカナ英語」の例文を挙げ、その上さらに「通じるアルファベットのカタカナ読み」の法則を13も紹介している。
とことん通じるカタカナ英語の可能性を追求した1冊であり、見やすく解説も分かりやすい非常に丁寧なつくりになっている。
「カタカナ英語なんて邪道だ」と思われる方がいるかもしれないが、リエゾン(音のつながり)・消えやすい音・変わる音・忘れがちな二重母音、など英語上級者でも一読の価値がある要素が詰まっている。
とにかく一度読んで欲しい。
全ての方にオススメできる名著である。
読破して実践した時、「カタカナ英語でもこんなに通じるんだ!」と感動をもって成長を実感できるだろう。
勉強法
基本的には例文と解説を読んでいけばよい。
もちろん付属のCDを活用し、耳から聴いてその通りに発音する実践トレーニングも忘れずに行おう。
特に解説ではネイティブの発音をいかにカタカナで表すかということについての情報が多く記載されているので、繰り返し読んで記憶しておこう。