センター試験では得点の20%を占め、二次試験においても重要な得点源であるリスニング。
聴解を苦手とする方は非常に多く、リスニング対策は全受験生にとってまさに必須と言えるでしょう。
リスニングは、はっきり言ってかなり難易度の高いスキルです。
「本番直前の2週間前から対策を始めればいいや」と思っていると大失敗する可能性が高いです。
「リスニングは難しい」ということをまずは理解し、早め早めにリスニングのトレーニングを実施していきましょう。
目次
受験生の英語対策:リスニング
・リスニングは最難関
・なぜリスニングは難しいのか
・リスニングの勉強法
・オススメの参考書
リスニングは最難関
受験生の方の中には、「リスニングは2~3週間前から対策すれば十分」と本番直前までリスニング対策を施さない方がよくいらっしゃいます。
これは大きな間違いです。
リスニングは、どんなに少なくとも1ヶ月以上の準備をかけるべきです。
大学受験のリスニングは、質・量・速度いずれもかなりハイレベルなリスニング力を要求されます。
高得点を取るためには、さらに問題の形式・頻出表現・解答時のコツを知るといった事前分析が必要になってきます。
普段から長文を音読したりフレーズをCDで聴いたりして「英語の音にかなり慣れている」という方以外は、2~3週の間に猛特訓をしても長文のリスニングに対応できず満足な点数に届かないでしょう。
付け焼刃では絶対に太刀打ちできないのがリスニングです。
対策には、相応の時間をもって臨みましょう。
なぜリスニングは難しいのか
リスニングの参考書をやってみたはいいものの、実際の試験問題を聴いてみると何を言っているのかサッパリ分からない……。
そんな経験はありませんか?
リスニングが難しい原因は3つあります。
1つ目は練習量不足によるものです。
英語に馴染みのない日本人にとって、英語は明らかに外国語です。
外国語のリスニングの習得に必要な時間は、一説によると数千時間と言われています。
もちろん大学受験のリスニングで出題される英文は語彙が限られているため、実際の勉強時間はもっと少なくなります。
しかし、リスニングというものは本来極めて難しいスキルなので、対策には相応の時間を割くべきということだけはご理解ください。
2つ目の原因は「書き言葉と話し言葉の差異」によるものです。
たとえば”I will take it.”(これください)は「アイ・ウィル・テイク・イット」ではなく「アイウテイケッ」と読まれます。
“How about shopping?”(買い物なんかどう?)は「ハウ・アバウト・ショッピング?」ではなく「ハバウシャペン?」と読まれます。
リスニングの話者は単語をひとつひとつ丁寧に言ってはくれません。
前の音と連なったり、音が消えたり変わったりして、我々の想像する英語とは全く違うように聞こえるのが普通なのです。
そのパターンをある程度つかんでいなければ、高スピードで話される試験のリスニングを攻略することは非常に困難となります。
3つ目の原因は「発音を聞き取れないから」というものです。(2つ目の原因と密接な関係にあります)
これは日本の英語教育の特徴で、日本人が英語を聞き取れない直因となっている問題点です。
発音はリスニングの土台とも言える超重要要素なのですが、今まで日本の英語教育では重視されてきませんでした。現在でもなおリスニングの参考書で「発音」の重要性を謳っている物は多くありません。
詳しくは
「発音こそが英語勉強で一番重要だった!」
「聴くチカラ(リスニング)を鍛えよう」
をご覧ください。
リスニングの勉強法
受験英語におけるリスニングの対策は二段階に分かれます。
第一段階は英語のリスニングに慣れること。
発音やリエゾンといったリスニングの基礎を学び、長文うんぬんの前にまず英語が聴き取れる耳にすることを目標にしていきましょう。
第二段階は試験のリスニングに慣れること。
センターや二次試験に頻出する表現・話題・問題形式・解き方のコツなどを学び、実践訓練で本番形式に慣れていきましょう。
オススメの参考書
『超低速メソッド英語発音トレーニング』
『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』
『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則―ネイティブも驚いた画期的発音術 (ブルーバックス)』
上記2冊はいずれも英語リスニングの基礎となる発音・リエゾンに特化した参考書です。
内容は非常にカンタンで効果的です。
リスニング対策はもちろん、将来スピーキングを行う際にも多大な恩恵が見込めます。
「リスニングを完璧にしたい!」という方は、とにかくこの2冊から始めましょう。
灘高キムタツのセンター試験英語リスニング合格の法則
灘高キムタツのセンター試験英語リスニング合格の法則 (基礎編) (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)
受験英語のリスニング対策としては恐らく最もカンタンな一冊。
基本は一通り抑えられているので、リスニングが苦手な方・実践トレーニングの一冊目には最適です。
続編として『灘高キムタツのセンター試験英語リスニング合格の法則 (実践編) (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)』が出ています。ここまでは全受験生必須です。
キムタツの東大英語リスニングシリーズ
キムタツの東大英語リスニング BASIC (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)
灘高キムタツの東大英語リスニング (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)
キムタツの東大英語リスニングSUPER (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)
東大二次試験のリスニング対策に特化したシリーズです。
センター・二次試験に関わらず、一番良いリスニング対策本は過去問です。
しかし、まだ志望校を絞りきれておらず「とにかくリスニング力の底上げをしておきたい」という方にとっては、本シリーズのような良問のリスニング問題集が一番の参考書となるでしょう。
入門編の『BASIC』でも難易度はセンター以上なので、間違いなく力はつきます。
東大志望の方はもちろん『SUPER』を目指しましょう。