目次
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・「地道にコツコツ」を止めよう
・なぜ英語は忘れやすいのか
・シチュエーションで覚えよう
・仮想体験1:常にシチュエーションをイメージ
・仮想体験2:ドラマ・映画を見よう
・オススメの参考書・教材
「地道にコツコツ」を止めよう
あなたはどのように英語を勉強していますか?
本を読む、英文を模写する、声に出して読む、音声を聞く……。
ふむ。どれも「楽しくはないが地道にコツコツ」というイメージが思い浮かびますね。
上記の勉強法は学生時代から慣れ親しんだ方も多いからでしょう、特に問題はないと感じやすいものです。
でも、少し考えてみてください。
その勉強法で得た知識って、ものすごく忘れやすくないですか?
なぜ英語は忘れやすいのか
記憶には「繰り返し」が大切だとよく言われます。
これは厳然たる事実で、1回よりも2回、当日のみよりも翌日翌々日も、同じコトを記憶することで、短期記憶が長期記憶になり本格的に記憶として定着していく……というのは誰しもが知るところだと思われます。
「1,2回やった程度では覚えられなくてもしかたない。毎日続けて徐々に覚えていこう」と意気込んでも、続かないのが勉強です。
「○○をやるだけで英語が上手くなった!」という体験談を聞いてみると、大抵「これを半年から2年続ければ上達する」という結論になりがちです。
「それだけやったら誰でもできるよ! でもいつも飽きてしまって勉強続けられないんだ! もっと早く、手軽に英語を上達させる方法を教えてくれ!」とそのたび思ってきた人は少なくないでしょう。
長期間の繰り返しというのは勉強の王道パターンで、「簡単だけど難しい」を地で行く代表格です。
それだけに効果も抜群ですが、いかんせん気力が持たない。
さて、どうすればよいか。
答えは、もっと記憶に残りやすい勉強法をすること。これです。
シチュエーションで覚えよう
ストーブに触って火傷をした子は、次にストーブに触れてしまったとき脊髄反射で危険を察知し手を引っ込めます。
人間の記憶に最も残りやすいもの、それは体験です。
口で説明されてもよく分からないことが、実際にやってみたら一発で全容を理解できたというのはよくある話です。
英語も同じです。
目で文章を見るだけより、耳で音声を聞くだけより、実体験が伴えば確実に記憶がしやすくなるのです。
しかし、「英語は実体験で学べ」というのは時間的にも金銭的にもかなり厳しいハードルです。
英語学習のためだけにそうそう簡単に外国へは行けません。
なので、代替手段を取りましょう。
仮想体験で英語を学ぶのです。
実体験より効果は幾分落ちますが、本を読むだけ音を聞くだけの英語勉強時とは比べ物にならないくらいの記憶定着力を期待できます。
仮想体験1:常にシチュエーションをイメージ
人間の脳は、生存に必要のない知識から忘れていきます。
「覚える必要がない」と脳が判断してしまえば、その知識は定着しません。
英語の参考書を読むとき、CDで英語を聞くときは、常に「自分がその場面の中にいる」とイメージしましょう。
その英語を実際に自分が使っているところを思い浮かべながら記憶するのです。
ただ読み聞き流ししているだけでは、記憶に残すことは非常に困難です。
「これは覚える必要があることなんだ」
「これを現地で言えたらマフィアの抗争に巻き込まれて死なずにすむ」
と強く思いながら勉強しましょう。
仕事で忘れてはいけないことは1回聞いただけで覚えられるのに、英語となると片っ端から忘れてしまう。
前者は覚える必要があって、後者はない、とあなたの脳が判断しているのです。
意識ひとつ変えるだけでも、普段の勉強はより効果的になります。
仮想体験2:ドラマ・映画を見よう
とはいえ常にシチュエーションをイメージしながら勉強するのはかなりしんどいです。脳が疲弊します。
確かに仮想体験は良いアイデアだけど、もっと楽な方法はないの?
あります。
洋画・海外ドラマを見てください。
日本語と英語の字幕音声が両方ついているものが望ましいです。
なぜか映画やドラマを見るというと、「それは勉強じゃない」と突っぱねられることが多いのですが、そんなことはありません。
ドラマ・映画は最高の英語勉強法です。
メリットのひとつは、視覚と聴覚をフルに使って学べること。
それなら本とCDでもいいじゃん、と思うかもしれませんが、ドラマ・映画は「映像」というコンテンツが主です。
1秒で静止画が約30枚存在する計算ですので、ものすごい極論になりますが、30分のドラマでも1枚のイラストの(30×60×30=)54000倍の情報量を持つことになります。
たとえ映像だけでもネイティブスピーカーの唇の動き、ジェスチャー、表情筋の動かし方、文化や建築物の特性など、有益な情報はいくらでも理解できます。
もちろん英語の音声だって量があります。
海外ドラマのwpm(word per minute,1分当たりの単語量)はおおよそ200前後で、登場人物はネイティブレベルの超スピードでくっちゃべっています。
元がネイティブ向けに作成されたドラマですから、本場レベルというのは当たり前なのですが。
さらに、会話主体のドラマ「FREINDS」や「FULL HOUSE」なら、2秒以上英語が話されていない時間が無いのではという程みんな何かに追われるようにマシンガントークを展開しております。
1話見るだけで1冊の会話フレーズ集が出来上がると言っても過言ではありません。
さて、次のメリットです。
有用性の高い表現を片っ端から覚えられること、です。
映画・ドラマに出てくる英語は現代のネイティブがよく使う表現ばかりです。
繰り返し見ることで、それらの台詞は自然に覚えていくはずです。
「最低限の英語表現だけ覚えればいいから、不必要に多くのことを覚える必要はない」と思われる方は、ちょっと次の日本語を英語で言ってみてください。
「なんか楽しくなってきたね!」
「最高だろ?」
「乗れよ」
正解の一例はこちら↓
“Are we gonna have fun, or what?”
“Isn’t that exciting?”
“Hop on”
意外と難しかったのではないでしょうか。
ネイティブはgonnaとかwannaといった短縮形を多く利用する、”You serious?”などくだけた言葉もじゃんじゃん使う、などといったことは日本で発売されている本やCDでは分からないことです。
参考までに、ネイティブが使う語彙の数は一説によると2万語以上らしいですが、日本の難関大学入試でも覚えるべき英語の語彙の数は5千程度です。
ネイティブが使う語彙・表現は、我々が学んできたものより遥かに多いのです。
しかも日本の大学受験に出てくる英語は必ずしも日常会話に使うものばかりではありません。
覚えたらすぐにでも使える英語の宝庫、ドラマ・映画。
もう見るしかありませんね。
メリットはまだまだあります。
シチュエーションごと英語を学べることです。
たとえば先ほど挙げた3つの文
「なんか楽しくなってきたね!」
「最高だろ?」
「乗れよ」
ですが、これに対する正解はひとつではありません。
その英語が使われた時・場所・状況により適切な表現というものは細かく変化します。
先ほどの「乗れよ」は「さぁ、だっこしてあげるから」というシチュエーションだったので”Hop on”でしたが、これが「(タクシーに)乗れよ」だったら”Get in”、「(電車に)乗れよ」だったら”Get on”になります。
ですが、全てのシチュエーションについていちいち「あの時はこう言って、その時はああ言って」と文章で記憶するのは、かなり骨が折れます。
また、とても思い出しにくいものになるでしょう。
ですが、ドラマや映画で出てきた表現なら。
その時の場面(映像)ごと記憶しているので、記憶から引き出すのが非常に楽になります。
覚える際も、映像ごとシチュエーションを覚えてしまえるので労力がかからずにすみます。
ちょっと例を挙げてみましょう。
“Can I help you?”はどういう意味でしょう。
「何かお手伝いできますか?」という意味ですね。
さて、ここであるドラマを見てみます。
男性が女の子に近づき、用事がありそうな感じで彼女の肩をたたきます。
女の子は肩をたたかれて振り向き、こう言います。
“Can I help you?”
日本語の字幕には「何か?」と表示されます。
これを見てどう思うでしょうか。
「ああそうか、”Can I help you?”ってこういう時にも使えるんだ」と思うことでしょう。
英語にも細かいニュアンスが存在します。
シチュエーションが異なれば、適切な言葉も変わってきます。
様々な表現を、記憶しやすい映像と音声で、シチュエーションごと覚えられる。
これが映画やドラマの最大の魅力です。
さぁ、まだあります。最後のメリットです。
映画やドラマは――面白い。
面白いから、続けられる。
ある意味最強のメリットではないでしょうか。
記憶は、継続的な繰り返しを経ることで長期的に定着していきます。
面白いコンテンツは繰り返し見ることを苦にしません。
是非、何度も繰り返し見て台詞を丸暗記するくらいの習熟度に至りましょう。
ドラマや映画で勉強する際には、
1.最初はストーリーの流れを把握する。ここは吹き替えで見てもOK
2.日本語字幕・英語音声で見る。英語の音声に慣れる
3.英語字幕・英語音声で見る。何回も繰り返して表現を覚える
4.字幕なし・英語音声で見る。これで全て意味がわかったら言うことなし
※途中、分からない場所があったら2と3を繰り返す
という順でやっていきましょう。
ちなみにオススメの映画・ドラマですが、映画はドラマに比べるとどうしても台詞が少なくなりがちで、しかも時間当たりの値段が高いので、ドラマの方をおすすめします。
ドラマで、しかも会話主体で英語文のレベルが易しめな「英語教材用」として最適なのが下記で紹介する「フルハウス」です。
オススメの参考書・教材
1987~1995年にかけ放送され、世界中で大ヒットしたコメディ作品。
1シーズン24話で全8シーズン。
主要登場人物に子供が多いので、平易な英語・言い回しが多いのも特徴。
英語全般のスキルの底上げを狙う初~中級者の方には本当に良い教材になること請け合い。
シーズン1は24話分のDVDが2,000円以下という驚きの安さ。
「これを見て英語を覚えた」という人が世界中にいる程の学習効果の高さ。
ドラマの内容自体も非常に完成度が高く、また笑えるので、継続性も見込めます。
スピーキング・リスニング・単語・文法・スラング・異文化理解といっぺんに勉強するには最適の教材と言えるでしょう。
フルハウス 〈シーズン1-8〉 コンプリートDVD BOX(48枚組) [初回限定生産]
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