解説:ハートで感じる英文法(会話編)

ハートで感じる英文法(会話編)

概要

発売日  :2006年4月
著者   :大西 泰斗, ポール・マクベイ
ページ数 :239ページ
ジャンル :英文法
対象レベル:☆☆(初中級者以上) ~

構成

Lesson1  to不定詞 ―ことばをつくす―
Lesson2  if ―プレッシャーをかける―
Lesson3  知覚構文 ―なめらかに語る―
Lesson4  倒置 ―感情を乗せる―
Lesson5  否定 ―オブラートに包む―
Lesson6  時制の一致 ―感じたままに報告する―
Lesson7  「とき」の感覚 -臨場感を与える―
Lesson8  some & any ―正確にあらわす―
Lesson9  可算・不可算 ―繊細に表現する―
Lesson10 疑問詞・関係詞 ―的確に質問する―
Lesson11 使役構文 ―人間関係をふまえる―
Lesson12 up & down ―自分の感性に従う―
おまけ+α  英文法の歩き方

特徴

ハートで感じる英文法』の続編。
今作は「会話編」と銘打たれているが、内容的には前作の正統続編であり、様々な文法を新視点で解説してくれる。

特筆すべきは「Lesson4  倒置 ―感情を乗せる―」「Lesson8  some & any ―正確にあらわす―」「Lesson9  可算・不可算 ―繊細に表現する―」等の章。

従来の英文法教育では、「英語にはこのような倒置パターンが存在する」ということを教えてくれたが、「そもそもなぜ倒置するのか」といった根源的な疑問についてはほったらかしであった。
本書は「なぜそのような文法になっているのか」というレベルから英文法を解説し、「ある文法を使うときネイティブが感じているイメージ」も紹介してくれるので、難解だった文法の謎が解けて知識が強烈に記憶に残るという非常に大きな学習効果をもたらしてくれる。

someやanyの使い分け、数えられたり数えられなかったりする名詞の正体など、「なぜそうなるのかは分からないがとにかくそういう規則だから」と丸暗記させられてきた文法知識が、実は明確なイメージの違いに基づくものだったと気づかされた時の驚愕は筆舌に尽くしがたい。

イメージや図をふんだんに使い、語り口調も柔らかく分かりやすいのは前作から引き続きの特色である。
中学レベルの文法をマスターした方なら、間違いなく1日で読破できる。

学生時代、「とにかくそういうものだから」と細かい説明もないまま、機械的に英文法を暗記させられる苦労をした方ほど読んで頂きたい名著である。
前作同様、英語上級者の方でも「そういう意味だったのか!」とうなる場合が多いので、前作『ハートで感じる英文法』と併せ読破をオススメする。

・時制の一致が起きるときと起こらないときの違いが分からない方
・過去の話をしている時の、適切な時制選択ができない方
・someとanyの重大な違いを知らない方
・「~させる」という意味の動詞make, have, getの使い分けを知らない方
以上に当てはまる方は特に読んで頂きたい。

必ずや「英文法ってこんなに明確で面白いものだったんだ」と感激することウケアイである。

勉強法

読むだけでいい。
参考書というより「読み物」に近いので、ただ一読するだけでOK。

各章に登場する、文法のイメージをつかんでしまえば強烈に記憶に残るので、読破した後はたまにパラパラと気晴らしに見返す程度でよい。


ハートで感じる英文法―NHK3か月トピック英会話 (会話編) (語学シリーズ―NHK3か月トピック英会話)

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