『英単語語源ネットワーク』の使い方

リード文

英単語語源ネットワーク

概要

発売日  :2010年5月25日
著者   :クリストファー・ベルトン, 長沼 君主, 渡辺 順子(翻訳)
ページ数 :232ページ
ジャンル :英単語

対象

英語中級者
受験生
社会人・ビジネスマン

内容

第1章 単語はどのように作られるのか――単語の成り立ちと英語の歴史
第2章 英単語43にみる語源ネットワーク
第3章 単語の意味を決める 重要語根50と接頭辞のマトリックス
第4章 重要語根50と接頭辞がつくる英単語ネットワーク

評価

解説

英単語の成り立ちについて、その歴史を紐解きつつ語源を多数紹介していく一冊。
単語集というよりは、英単語の読み物といった色が強いです。
「英単語はなぜあんなにも発音が不規則なのか」といった謎もすんなり解けていく第1章は教養としても非常に興味深いですが、純粋な勉強目的なら章ごと飛ばすのも可。

第2章以降で英単語を挙げつつその語源を解説していく構成になっている。
「語源を知る」というのは英単語学習においてかなり重要な要素であり、これを知っているかどうかで単語勉強の効率が大幅に違ってくる。
propose(提案する)という単語の語源がpro(前に)+pose(置く)であると知っていれば、impose, expose, oppose, supposeといった似たような単語にも惑わされることなく正しい訳語を思い出せる。
「英語の語源を学ぶ」ということは、日本語でいうと「”さんずい””しんにょう”といった、漢字の偏やつくりの意味を学ぶ」レベルの重要事である。

何の前提知識もなしに、それぞれの漢字の形を丸暗記している日本人などいない。
偏やつくりといった「要素の意味」を深く理解しているからこそ、初めて見る漢字でも音や意味を推測できるし、覚えるのにも苦労しないのである。
それは英単語でも同じこと
各英単語のパーツにはそれぞれ「要素の意味」があり、それを理解することで、「英単語の丸暗記」という重労働を避けることができるのだ。

勉強法

単語集ではなく「読み物」に近いので、「全てをカンペキに暗記しよう」と考える必要はない。
空き時間やヒマつぶしに「ほう、transport(輸送する)の語源はtrans(超えて)+port(運ぶ)だったのか」と気楽に読んでいくのがベター。
勉強する時に手元に置いて「”con”や”dis”や”sist”って英単語によく含まれてる文字だけど、どんな意味だったっけ」と辞書的に使うのもよい。
1度目を通すだけでも単語学習の労力が大幅に少なくなるので、ぜひ1回は読破することを推奨。

[vocabulary]