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英語で楽しむ日本昔ばなし
概要
発売日 :2012年12月21日
著者 :カルラ・ヴァレンタイン
ページ数 :182ページ
ジャンル :読解
対象レベル:☆(英語初心者)
構成
桃太郎
鶴の恩返し
かちかち山
花咲かじいさん
一寸法師
特徴
「長文の英語を読んでみよう」と思ったときの最初の1冊として最適。
「多読はやはり『ラダーシリーズ』や洋書だ!」という風潮は昔からあるが、それらには和訳が無く、文章量も壮絶に多いため、いきなり挑戦するとほぼ確実に挫折する。
それに対し本書『英語で楽しむ日本昔ばなし』は長文読解初心者向けの非常に親切なつくりになっている良書である。
その具体的な長所を見ていこう。
長所①:少ない文章量
まず英文の量が少ない。これは大きなメリットだ。
「英文の量が少ないというのはデメリットではないか?」と思われるかもしれないが、そんなことはない。
一般に、『ラダーシリーズ』や洋書の文章量が極端に多すぎる。細かいアルファベットが1ページに数十行ビッシリと並んでいるのを見れば、読む前からあきらめがついてしまうだろう。
その点、本書は多すぎも少なすぎもしない丁度よい量で、しかも行間が広めなので実に見やすい。
途中で放り出す心配もなく、確実にラストまで読みきれるだろう。
長所②:丁寧なつくり
『ラダーシリーズ』や洋書には、和訳がない。
それに対し本書は、見開きで左ページに英語・右ページに日本語訳という構成になっている。
左ページの英語を読んでいて、答えあわせをしたい場合は右ページを見ればすぐに和訳を見れるというワケである。
実はこうした作りになっている本はかなり少ない。
和訳がない、もしくは章末ごとに一気に和訳を載せている、というパターンがほとんどだ。
本書はページを全く移動することなく「英文読解」と「和訳確認」が完結するので、学習の際の手間が大幅に省けるのである。
また、章末ごとに頻出表現やフレーズが一挙に解説されている。
長所③:平易な英語
かなりカンタンな英語で書かれているので、辞書を引く必要がほとんどない。
知らない単語があったとしても、前後の文脈から想像がつくし、和訳を見てしまえば「文脈の中で単語を覚えるという理想的な単語記憶法を図らずも実践できてしまう。
長所④:手厚いリスニング対策
CDが付属されているので、リスニング参考書としても使える。
見開きの各左ページには「音読のツボ」というコラムがあり、そのページでの音読に役立つ情報を教えてくれる。
長文読解トレーニングの後はリスニングトレーニング用にも使用できるので、コストパフォーマンスは高い。
勉強法
まず、見開き左ページの英文だけ読もう。一つの話が終わるまででいい。
次に、見開き右ページの日本語訳だけを読む。
そしてもう一度見開き左ページの英文だけ読んでいく。
この時点で、分からない英文はないはずである。
最初は読めなかった英文でも、一度日本語訳をはさんだので、「この英文はこういう意味だったな」と思い出しながら読み進めることができる。
それでもなお読めない英文が出てくるようであれば、そこにあなたの覚えるべき単語・文法・表現が眠っている。しっかり見直し、単語や文法・章末の頻出表現などをチェックをしておこう。
全体的な難易度はかなり低いので、さくっと終わらせて『1日10分 超音読レッスン』シリーズに進むといいだろう。